こんにちは。吉沢です。精神科医・名越康文先生に師事し、名越式体癖論の講座「体癖はじめの一歩」の講師をしております。今回は、はじめて体癖診断をした時のお話です。
はじめて、体癖診断をする
体癖論を学びはじめて、まず「診断する」というところで壁にぶつかったような思いを味わう人がほとんどだと思います。名越先生の系譜に連なる人は10種類の簡易分類の文言に当てはめていくところからスタートし、除外診断していきます。その時期のお話から。
体癖診断をして、納得したい
私が初めに診断したのは、仕事の関係者Aさんでした。私にとって、他人との交流は常に異文化交流という感覚ではありましたが、特に文化的背景が違うことがストレスになっている環境だったので、体癖診断をしようとすることで私は少し落ち着くことができました。
Aさんは別の会社の方で、たまに会うと親しく話をしているのに、時折どこか喧嘩腰に感じていました。体癖論に出合うまでは、普段の面倒見や配慮との落差に、その都度、衝撃を受けていました。
診断がしぼれない
体癖論を学ぶと、「痩せている」「太っている」ですら分かっていないことがよくわかります。Aさんは、太っていませんし、一般的には「痩せている」と言われるでしょう。かといって華奢ではないのです。骨がしっかりしていて、軽さは感じません。
体癖論において、痩せているとは、骨の細さも念頭に置いています。今なら、はは~んと思うことも、全くキャッチできていませんでした。
張り合う
Aさんは、「おはようございまーす!!」と大きな声で挨拶をする方でした。どの時間帯でも、いつもよく通る大きな声です。目の前の、一人に話しかけているのに、他の人に聴かせたいのかな、と感じる喋り方をされます。
ある日、 Aさんは「この会社に雇ってもらえたら、Bさんの下で役職が欲しいんですよね。」と唐突に話し始めました。当時、Bさんの部下であった私は、マウンティングをされたのか、天真爛漫さなのだろうか、と真意を計りかねました。
怒りは診断力を曇らせる
恥ずかしながら、侮辱された、と腹をたてていました。腹が立つと体癖診断の目が曇ります。今になって振り返ると、除外診断にとても時間がかかったのには、この怒りがあったからだと思います。
あるとき、ふっと目に飛び込んで来たのが、Aさんの笑顔でした。眉間にシワを寄せ、顔をしかめるように笑っています。そのとき初めて、Aさんがはっきり見えたと感覚しました。がっしりとした存在感、面倒見のよさ、細かく張り合う言動、声の距離感…。
私はAさんを7種の感受性であると診断しました。
自分と同じだという思い込み
体癖論を知って当てはめていく作業は大変おもしろいのですが、ここで述べたのは私の未熟さで、お恥ずかしい限りです。
私はAさんが誰かの世話を焼いても、悲しんでいる人に心を配っても、当たり前だと思っていました。自分との違いを見つけては、違和感を感じ、心の中で、なんであんなことをするのだろうと指摘していたのです。弱っているとき、多くの人が7種さんから元気をもらった経験があるはずです。でも、それを忘れてしまう。
体癖診断をするコツ
体癖診断のコツは、通りすがりの人をみるように見ること。つまり、感情的にならないということ。そして、ちょっとだけ好きな気持ちで見ることです。
診断の話はもう少し続けたいと思います。