こんにちは。吉沢です。精神科医・名越康文先生に師事し、名越式体癖論の講座「体癖はじめの一歩」の講師をしております。
それぞれ縁の深い体癖があると思いますが、そんな体癖ほどはじめは診断が難しいことがあります。
体癖そもそも
体癖というのは、体型、感受性の特徴を10種類に分類したものです。各体癖(感受性)は、臓器と深く結び付いており、その分類が5種類あります。今回お話しする3種と4種は感情タイプと呼ばれ<消化器(胃)>との繋がりが強く、1種・2種は論理タイプ<頭脳>、5種・6種は行動タイプ<呼吸器(肺)>、7種・8種は闘争タイプ<泌尿器(ねじれ)>、9種・10種は集注タイプ<生殖器(骨盤)>との繋がりに特徴があります。
感受性というのは、その人がどうしてもやってしまうとか、どうしても避けてしまうといったもので、いわゆる性格・ライフスタイル(行動パターン)よりももっと根源的なものです。性格というのは、成長していくにつれて変化していきますが、人間として未熟であっても成熟していてもその根源的な生命のベクトルは変わらない、というのが体癖論です。
人間は百人百通りです。当然ながら同じ人間は存在しません。10種類に分類しているこの身体的な特徴は、原則的に1種なら1種の特徴の中心的な部分を「こういう特徴があります」と伝えているので、勉強して、はじめて診断をしようとした際に、周りを見渡してみても、これにバチッと当てはまる人間はいないわけです。そこに勉強した知識と診断との間の落差を感じるのではないでしょうか。
私も初めて職場の人たちを診断しようとして、バチッと当てはまる!という感覚は全くありませんでした。「なにか違う」のは分かるのに、何が違うのか見えてこないモヤモヤからなかなか脱することが出来ません。「なにか違う」を言語化するのって難しいですよね。それでも、まったくというほど他人を観察してこなかった私でも、だんだんわかるようになってきました。皆さんもそれぞれのやり方があります。大丈夫!いろんなルートがあるんです。
3種の体型と感受性の特徴
3種というのは、一言でいえば永遠の「こどもっぽさ」。可愛らしく、童顔で丸顔、からだのどこかに丸みがあります。そして、身体に左右差があり、一方の肩が上がっています。全体として明るい雰囲気を持っており、よく食べます。背中(肩甲骨の間)に丸みがあり、いわゆる猫背というのは3種の背中のことです。
3種や4種という感情タイプはどこか幼さを感じさせます。この3・4種のことを別名、左右タイプと呼ぶこともあります。この左右さんたちは、女性をイメージすると雰囲気がつかみやすくなります。特に、3種は10代のアイドルをイメージしてみてください。ちょっと背伸びして大人ぶっても、あどけなさがあって、明るくて、よく笑って、泣いて、喜怒哀楽が見ていてよくわかる。不機嫌かなと思っても、大好きなイチゴパフェを食べはじめたら、にこにこしながら自撮りする。
キメの細やかな色白肌が特徴です。もちろん、健康的な肌色の人もいますが、多くは色白でお肌が自慢です!という人が多い。男性も頬がぷりんと丸くて健康的な血色です。よく食べて、栄養が行き届いている、という感じです。男性でも、毛むくじゃらの下にある人目にふれないようなお肌やお腹、おしりはすべすべの赤ちゃん…それが3種なんです。
楽しくても食べ、嬉しくても食べ、悲しくても食べ、怒っていればなおのことよく食べます。すべての感情が食欲にリンクしている。それで、感情タイプで消化器型というわけです。
朝、出社してきた同僚がどうやら機嫌が悪そうだ、調子がわるいのかなと思っていると、お昼休みから戻ると元気を取り戻したようだ…それは、朝ごはんが足りずに調子がでなかった3種さんが、お昼ごはんをたらふく食べて、本調子になったのかもしれません。
3種の軽み(かろみ)と忘れっぽさ
胃袋をふくれさせて、満腹になる、それが3種のエネルギーの鬱散になります。胃の粘膜を膨らませるのが身体的な快です。そういう彼らを悩ませるのは、食べすぎてしまうことかもしれません。
太りかたにも体癖が出ます。3種はよく食べて大きくなっても、ふわっとふくれていきます。風船のようにからだがふくれていくのに、重みが出ません。
そして、3種は体型だけでなく、その軽みの本質は、気分の変わりやすさです。気分というのは感情になる前のふわふわ移ろうものですが、3種さんは喜怒哀楽が自分のなかでくるくる変わっていきます。これが3種の真骨頂です。
3種さんと交流していると、「そんな話したっけ?」「私を当てにしないで」という場面に必ず出くわします。友達では許せることも、仕事や責任の伴う場面ではとにかく面食らうことでしょう。それは、あなたが3種ではないからかもしれません。
こちらがとても大切な話をしているのは、もちろん、3種だってわかっていたはず…そう思っていても、すれ違うことがよくあります。
「Aという認識でいました。」
「そうでしたね。ですから昨日話し合って、それは違うと確認しましたよね?」
と、いうことはよく起こります。
3種とのコミュニケーションのコツは、冒頭30秒~長くても1分以内で大事なことを印象づけること。話の流れで説明した、というのでは弱い。そこが肝なんです。なぜなら、もう次の瞬間には、別のところに意識が向いてしまっているんですから。
だから、再び認識がずれたときには、「もっと端的に伝える」ということに集中しましょう。「なんでそんなことになるの!」と責めても、逆効果です。こちらがどれだけ面喰らったかというのを話題にしても、3種さん自身には記憶に無いことについて相手が怒っているとしか感じません。
診断のポイント
体型をよくみる、というのは基本です。その上で、講座でお伝えするのは、体癖ごとのポイントを「大まかにとらえること」も重要だ、ということです。
診断をするときに忘れてはいけないのが、3種の可愛らしさです。
でも、人って恐ろしく主観的でしょう?かわいいってなに?!みたいになるとわからなくなっちゃいます。そうなったら、いったん置いておきましょう。
男女共に、3種には年齢を越えた可愛さがあります。別の言い方をすれば、大人にならない、ということです。
3種は『ハッ』とするようなことを時々言ってくれます。でも聞き返してはいけません。瞬間に降りてきたものをポロッといいます。それに多くの人は人生のヒントを得るんです。なんと素晴らしいヒントをくれるのでしょう。そして、それも3種さんは忘れていってしまう。
3種は中庭の自由を求めます。筋を通す、責任をとる、という感受性をもった人からみれば、彼らの生き方は少し頼りなく見えるかもしれません。でも、どんなにビシッと素晴らしい事を言ってもそれすら「忘れていく」ということの強さ。一つ処に留まらない、変えていくことへのためらいのなさには、学ぶことも多いのです。
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