こんにちは。体癖はじめの一歩、講師の吉沢です。
「体癖こぼれ話」と題しまして、その時々の気づきをお話していきたいと思います。よろしければお付き合いください。
3種体癖というのは、楽しくても食べ、悲しくても食べ、怒ったらもっと食べるというように、感情と胃袋が結びついている人です。胃袋で考えるというのが3種です。
体癖論を知ると、この「胃袋で考える」ということに驚くと思いますが、私が3種との関わりで驚愕したのは、外部からの要因ではなく、あくまでも本人に因るところで自身の気分が刻々と移り変わっていくということです。
仏教では、執着が苦しみを生むと云います。自分ではどうにもならないことに固着するとそれは苦しみになります。
武道でも自由に動けなくなっている状態を「居つく」と言うそうです。何かを極めようとするときに、自由を失う固着は足を引っ張るものなのです。
体癖論を学んでいくと、それぞれの体癖の特徴はそれぞれが素晴らしいと気づきます。
3種体癖を自認する方から、「どうやったら何かに熱中して続けられますか?」と質問を受けることがあります。
人によっては厳しい言い方かもしれませんが、頭の良い方は特に、まだ見ぬ未来を想定することがあります。実際自分でやってみて突き当たる壁であれば、また違う質問になると思います。
(熱中するものが見つからないという相談とは分けて考えましょう。)
気分が変わっていって飽きる感覚がある3種も、一線で活躍する方は沢山います。
そもそも、私は飽きること自体が悪いとは思いません。良い悪いという判断は、自分が決めているもので、評価するという行動を私は否定はしませんが、特徴は特徴でしかありません。体癖論を学んでいくとそれに確信を持ちます。私は出会う皆さんのことを凄いと感じることが増えました。
3種の方と喧嘩した翌日は気が楽です。「おはよう」という挨拶で喧嘩が終わった事が確認できます。怒りを持続することにも飽き、ご飯で胃袋を拡げたら身体も緩みます。気分を変えたいというのはそういう居つかなさでもあります。
3種も熱中したいことには熱中しています。開閉(9種10種)の特徴である「集注」を“素晴らしい”と位置づけて話を聴けば、移り変わる感覚に劣等感を覚えるのかもしれませんが。
仮に、全員が同じ体癖だとしたらどうでしょうか。みんなが自分と同じ感覚世界に生きているとしたらと、想像してみてください。
なぜ、少なくとも10種類の感覚が同じ世界に存在しているのか。
それぞれが活躍できる場があるということです。全員が集注感のある9種だったら、大変な世界です。みんな興味のあることしか出来ないのですから。
さて、3種に話を戻します。
ある元プロ野球選手(捕手=キャッチャー)は、現役時代に受けた球種を今でもありありと語ります。
「正捕手は試合の最初から最後まで投手からどんな球が来たか、全部覚えていないと話にならない」と言われ、様々な体癖の、他チームの正捕手たちがその言葉に頷いておられました。
(正捕手とは、特に一軍の中の始めから試合に出ることが決まっているキャッチャーのこと)
誰もが認めるこの元捕手の凄さは、固着しない気質でありながら、凡事徹底し、結果的にファンも楽しませる名選手になったことです。
何度も口にされるのが、「当たり前のことをきっちりやり続けられれば捕手に向いている」、まさに「凡事徹底」です。
3種と良い関係でいるには、「同じ時間を楽しく過ごす」これがキーワードです。何かを追求したり、詰めたりすると破綻します。
深める、積み重ねる、とは全く違います。
ある時点でぱっと何かが開ける感覚が3種の特徴だと思うのです。
その元捕手から他の人の練習については軽妙な解説が聴けるのですが、ご本人についてはあっさりしたものです。都度、新しい朝を迎えて、時々ふっとステージが切り替わっておられると思います。
話も面白いですよ。場の空気を読んで、安心できる場所で、あるいは空気を良くするように、勢いよく喋ります。
彼は練習量の多さで有名な球団一筋でした。「当時は胃から汗が出るほど練習していた」と。
体癖論に馴染んだ方はこれを聴いて、「おおっ?!」と思ったでしょう。言動で体癖が推察できるのです。こういうハッとする感覚は面白いでしょう?
気になった方は探してみてください。楽しい気分を共有できますし、勇気が出ると思います。一流に限らず、皆それぞれの特徴を観察できるようになるのが、体癖論が実技たる所以です。
吉沢
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