こんにちは。吉沢です。精神科医・名越康文先生に師事し、名越式体癖論の講座「体癖はじめの一歩」の講師をしております。
今回はインスタでいただいたご質問にお答えします。
質問|体癖からどんなことがわかりますか?
答え|「答え」は沢山あります。
例えば、その人が何を好んで、つい何を避けるのか。どんなプレゼントを喜び、他人とどう仲良くなるのか。人生の中で何に重きを置いていて、どういう生き方をするのが性に合うのか。何を許せないと感じ、怒るのか。
というのも答えでしょう。
しかし、体癖とは何なのかというのがご質問の趣旨かなと思います。
体癖論というのは、一般的な性格分類よりもずっと個人を重視し、その「感受性」に着目します。
一般的な3、4種類に分ける性格分類は、それぞれの感受性までは扱わず、どうすれば対人関係がうまくいくかに重心を置いています。
名越式体癖論では感受性の分類が10種類あるのですが、これを知るまで、自分と他人の感受性がどれだけ違うのかについて誰もが全くわかっていません。
体癖論を知ることで、
「人間には様々なタイプの人がいる」
「そんな他人をみる自分が確固たる感受性の色眼鏡をかけている」
ということを学ぶことができます。
「それは当たり前じゃない?」と、思った方に是非続きを。
体癖論は身体的な学び
この文章の説明をも「フラット」に読むことは、私を含め、例外なく誰もできません。自然と自分の感受性を通じて読んでいるのです。すなわち、自分が強烈な先入観を持っていると自覚しない限り、「客観的である」ということはあり得ないわけです。
自分の感受性からしか世界を見ていないというのは、体験をしないとわからないことだと思います。
例えばスポーツや音楽の経験がある方は、自分の感覚が変化した体験をされたことがあると思います。実際に走らなければ、重力を感じながら前へ進む身体の運びはわからないですし、泳いでみなければ水の抵抗を少なくしながら推進力を得る泳ぎを知ることはできないのです。それにはただ理論を知るだけでは足りず、実際に体験を積み重ねることが必要だったはずです。
そんなふうに、文章を読むだけではどうしても理解できないものが、体癖論にもあります。何かを覚えたり解いてみたりという知識の量で学びが深まる学問とは違い、むしろ体験の量が必要になる身体的な学びのジャンルなのです。
ではどうやって体験するのか。少し大げさに聴こえるかもしれませんが、「伝授」でしか学べないものです。直接指導を受けることでしか、体癖論の視点を身につけられません。今までの経験にないものだからです。
体癖論の中では、自分と全く異なる感受性を目の当たりにします。
誰もが他人を意識して張り合っているわけではないし、食事によって元気になるわけではない。自分の得になるならサッと身体が動く人もいれば、利害損得がなくても他人のためになら動ける人もいる。勘でしか動けない人もいれば、頭の中で考えて満足してしまい実際には動かない人もいる。
更にいうと、近代以降は頭脳を特別に感じる傾向がありますが、身体の中では脳も平等に臓器の一つです。知識だけが特別ではなく、すべての臓器にそれぞれの役割がある。まずは、体癖論の分類を知ると、それが新ジャンルであると感じられると思います。(※『3種体癖を診断する〜体癖そもそも』参照)
我々が性格だと認識しているのは、その人が繰り返し選択している行動のパターンのことです。心の変化につい着目したくなりますが、その変化は闇雲に起きるものではありません。それは心理学の扱う範囲ですが、体癖論はもっと根本にアプローチします。
人間には肉体があるがゆえに、生きようとします。生きることが目的です。その生命は身体そのものに由来していて、決して身体から逃れられないのです。
敢えて言及すれば、人間の行動の実体は身体の生理現象(感受性)が元になっているといえます。それは繰り返しになりますが、生きることが生命の目的であるからで、体癖論の射程はそこにあります。
学びの先にあるもの
さて、勉強を続けていくと、体癖診断をすることが段々とできるようになってきますし、それと同時に感受性の違う相手にも自分の感覚を投影していたことがわかってきます。
さらに進むと、実際の生活に応用がきくようになっていきます。
目の前の相手が喜ぶこと、嫌がることがとっさにわかるようになり、何よりも自分のことがずっとわかってきます。
どうすれば元気がでるのか、やる気になるのか、自分の愛し方が今よりずっとわかってくるのです。
。◕‿◕。(吉沢)
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