次回は 11/23(土)体癖講座

4種体癖を診断する 体癖論の幽玄な入口に立つ

4種体癖を診断する

こんにちは。吉沢です。精神科医・名越康文先生に師事し、名越式体癖論の講座「体癖はじめの一歩」の講師をしております。

体癖論が他の性格分類と一線を画すものだというのは、この4種体癖を知ることで皆さんも直感されると思います。

目次

4種体癖  体型の特徴

4種体癖の典型的な体型は、やせ形で背中は真っ直ぐでいかり肩、エラが張っている人もいます。内ももの肉が削げていて、太りにくい人、という印象を受けます。同じく左右タイプの3種の典型的体型は背中が丸く、よく食べて、栄養がたっぷり行き届いた丸みのある人が多いので、印象も体型もかなり違います。4種も左右系の特徴であるかわいらしさはありますが、3種のような明るさは無く、少し寂しげで “存在感” はまるで日本の幽霊を思わせる儚さがあります。

感受性の特徴

存在感の特徴をきくと、そんな人いたかしら?と思われるかもしれませんが、周りをよく見てみると必ずいらっしゃいます。

3種も4種も感情と胃袋につながりがあります。消化器型の陽タイプである3種は、楽しくても悲しくても食べ、怒ればもっと食べます。食べることで胃袋を拡げ、気分を切り換えていくとも言えます。では4種はどうでしょうか。4種の場合は、「ネガティブな感情を抱くと食欲がなくなる」という意味で胃袋と感情がつながっています。特に、不潔だと思うと数日引きずってしまうほど極端に食欲を失ってしまいます。しかし、そういう場面は一般的な対人関係の中では目につきにくいかもしれないですね。

体癖分類表

痩せている4種はそんなに食べないのか、というとそんなことはありません。3種は満腹感を求めて、胃袋を大きく広げることに身体的な快があるため、一回での食事量は多くなる傾向にありますが、4種はちょこちょこと食べていて、結果的にたくさん食べている、ということがあります。リスのように口いっぱいに頬張っているのが3種の食べ方だとすると、4種は小鳥のようについばんでいるイメージです。

『私も気持ちが悪いと思えば食欲がなくなるし、気分転換にたくさん食べるから4種も3種も当てはまるなあ』と思った方、そうなんです。 “一部分を切り取ると” いろんな体癖に当てはまるように思えるのですが、それこそが体癖論と出合ったときに起こる特徴です。

各々のものの見方には独特のくせがあります。言い換えれば、主観というもので、これは体癖論を学んで初めて気づくことができます。

付け加えると、“独特のくせ” に良いも悪いもありません。私たちはすべての経験を自分のものの見方でみているわけですから、明確に【他の見方】というものに出合わない限り、「非常に強力な主観を持っている」ということに気づくことはないまま一生を終えていくわけです。

あれもこれも当てはまる気がする時期を抜けると、1つの体癖で、一人の人間の複雑で多様な面をまるっと説明ができるのがわかるようになります。体癖とは、性格よりももっと根本的な身体的欲求 (生きようとする力)とつながっているのです。

左右系の感情の違い

3種は喜怒哀楽がはっきりしていて、その感情が自分の中でくるくると移り変わっていくところに3種の特徴があります。それに比べると4種は自己主張することが少なく控えめに感じます。それというのも自分の感情が定まりにくいという特徴があるからです。

4種だけでなく偶数系[2種4種6種8種 10種 ]に共通するのは、感情が固まるのに奇数系より時間がかかるという点です。その中でも4種は特に時間がかかります。感情がふわふわと漂っていてゆっくり凝縮するので、子どものころは特に「あなたはどうしたいの?はっきりして!」なんて言われてつらかったんです、という方も多いでしょう。にこにこと柔らかく微笑んでいる表情も4種らしさですが、「何を考えているのかわからない」と言われて傷ついたこともあると思います。

また、4種は大笑いすると、苦しいような、泣いているような顔にみえます。自分の感情の爆発に身体がついていかないというお顔です。

感情を量で捉えることはできませんが、例えるなら感情の量が莫大になって、重たい荷物をもったようにしかめっ面をしているようにみえるわけです。

相手の感情に同期する4種体癖

4種の感覚でとりわけ特徴的で驚かれるのは、自分の感情に気が付くよりも先に相手の感情が瞬間的に自分の中に入ってくることです。

質問されることが多いのですが、4種自身にももちろん自分の感情があります。嫌という感情は比較的気づきやすいですが、それでも奇数系の何倍も時間がかかります。

自己主張も控えめで、普段から相手に合わせているように見えるのは、あえて説明すれば、瞬間、相手の感情が伝わってきたときには、まだ固まっていない自分の感情とぶつからず、己の感情のように感じるため、スッと相手に同調して、あたかも自分の感情のように動けるからです。そして、段々と本人の感情が固まってきて明瞭になってくるときには、だいぶ時間が経っています。

相手の感情が入ってくるという姿が他人から確認できるのは、4種の涙です。本人も知らないうちに目の前の相手の感情にシンクロしていて、しかもその相手が自分の悲しみに気づく前に、4種がひとりでに涙を流している…というようなことが起きるのです。

現象として似ているのがもらい泣きでしょうか。ただし、それは相手に感情移入して涙を流すので、4種の感覚世界そのものとは違いますが、想像するヒントにはなると思います。

ここまで4種の基本的なところを説明してきました。

体癖論の説明では、ご自身の常識(評価)を一旦横に置いておいて読んでもらえれば嬉しいです。これは 良い/悪い という評価とは全く別の次元の話で、「ひとつの特徴」という意味でご説明しています。

4種についてはまた項をあらためて解説します。

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吉沢リリー
名越康文先生の弟子。
気軽に体癖論を知りたい方へ向けた講座「体癖はじめの一歩」を始めました。映画や音楽、漫才、落語、漫画に小説、Vtuberなど、好きなものは多くて長い、九州生まれの喋る人。
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